源泉・湯本 温泉ものがたり

開湯600年の歴史の湯 「信州最古の温泉宿」

当館の温泉は中世に篠澤光重によって掘削されたそうです。
武田信玄も入湯し、謝礼に拝領した掛軸が残っています。
中軸には長さ一尺、太さ一寸の円柱形水晶一本棒が使われ、覗けば旭が見えることから「旭湯」となったと伝えられています。
地元の岩村田藩主も入浴され、その記録、湯桶、看板、焼印等も残っています。

明治時代にはホテルになり、天皇陛下のご入浴とご宿泊も予定されましたが、当地で伝染病が発生したため、御幸行は御停廃に相なりました。

一方旭湯は、若山牧水、島崎藤村、北原白秋、種田山頭火、小林一茶、葛飾北斎など文人墨客にも愛された温泉です。
戦時中は軍専用宿舎となり、毎日200名もの兵士の方々が入浴されました。
当館は敗戦直後の農地解放令で多くの土地を失い、その混乱時に温泉法施行がありましたが、申請をしなかったため温泉登録から旭湯は抹消されてしまったそうです。しかし再申請を行って温泉は復活しました。
数百年にわたり一家の長男が代々温泉を守って来た例は長野県にはなく、「信州最長寿の温泉宿」と言われております。 また平成26年には県内で最も古くから営業を続ける企業として知事表彰を受けました。(26産政第105号)

源泉は浴槽の直下1m、温泉は100%自家源泉
贅沢な地下の恵み

温泉の源泉は浴槽ほぼ真下の地中約1mの位置にあります。
源泉と浴槽がこれほど近い温泉は非常に珍しいです。
また温泉水はタンクを経由せず、直接浴槽に入る仕組みです。
しかも空気に触れることなく、浴槽に温泉が運ばれるシステムです。
源泉から蛇口まで数秒で温泉水が到達しますので、新鮮な大地の恵みをご堪能下さい。
ところで浴室の蛇口から出る源泉の匂いと味は実に個性的です。
※飲用温泉。

温泉飲用の方法と注意…佐久ホテルの温泉は飲用泉ですので飲む事ができます。
但し次の用法、用量をよく守り正しく飲用して下さい。
① 飲泉療養に際しては、専門的知識を有する医師の指導を受けること。
また、服薬治療中の人は、主治医の意見を聴くこと。
② 15歳以下の人については、原則的には飲用を避けること。
ただし、専門的知識を有する医師の指導を受ける飲泉については例外とすること。
③ 飲泉は決められた場所で、源泉を直接引いた新鮮な温泉を飲用すること。
④ 温泉飲用の1回の量は100~150mL程度とし、その1日の総量はおよそ200~500mLまでとすること。
⑤ 飲泉には、自身専用又は使い捨てのコップなど衛生的なものを用いること。
⑥ 飲泉は食前30分程度前に行うことが望ましいこと。
⑦ 飲泉場から飲用目的で温泉水を持ち帰らないこと。
⑧飲用する際には、誤嚥に注意すること。
誤嚥とは、うがいや焦って飲むことなどにより、肺や気管に水分を吸い込んでしまうことをいう。
なお、嚥下障害を発症している人は飲泉を行わないこと。

温泉の成分

当館の温泉は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、鉄イオン、炭酸水素イオン、塩化物イオンなどを含み、メタケイ酸含有量が温泉法の限界以上のため、温泉法第2条に言う温泉に該当する「規定泉」に認められました(中性低張性冷鉱泉)。 お肌に良いお湯ですし、疲労回復・健康増進のためにもご入浴されてはどうでしょう。 ただし、病後回復期の入浴や詳細については温泉療法専門医師等の指導を受けて下さい。

温泉井戸の様子、深さ、信玄伝説

佐久ホテルの温泉井戸は室町時代に掘られたとされ、深さは約10mで、直径は約1mで、石垣積の円筒形で水深は常に8mほどあります。
どんなに水を汲み上げても水位の変化がほとんどありません。
すぐ近所の龍雲寺には「信玄井戸」があり、この井戸もいくら汲んでも水が減らない井戸として有名です。
ちなみにこの井戸は武田信玄が、欲しい物を念ずれば何でも湧いて来たという伝説があります。
なおこの寺には武田信玄墓所もあります。また当館にも信玄が入浴した伝承や書状、武田供養塔も残っています。
さて当館の地質区分は「更新統軽石流2次堆積物」という地層から湧き出しています。

メタケイ酸の効能

佐久ホテルの温泉の主成分は「メタケイ酸」です。
メタケイ酸は保湿成分を含み、「美白の湯」や「美肌の湯」として多くの人に親しまれてきました。
メタケイ酸を焼いて乾燥させれば『シリカゲル』になります。つまりお菓子の袋に入ってる乾燥剤です。
これは水と結びつく力が強いので、空気中の水分も吸い込みます。
この成分が皮膚の角質層以下に豊富に含まれていれば、保水力も高まるそうです。


メタケイ酸で乾燥肌が防げるという仕組みがあるので、化粧品にも使用されています。
メタケイ酸の温泉に入って温泉成分が皮下浸透して、メタケイ酸含有量を増やす事ができるのかどうかはまだ研究段階です。
またメタケイ酸は、お湯をトロリとさせますので、まろやかで肌触りが良い浴感があります。そしてしっとりとキメ細かい肌をつくると言われます。
肌につややかな潤いを与えてくれるメタケイ酸は「天然の化粧水」として、美肌づくりに良い影響を与える事でしょう。
それに肌が乾燥しやすい方にも向き、よく温まり、長期滞在の湯治にもお勧めです。
ところで塩分のある温泉がお肌に合わないという方は多いそうです。
塩のピリピリ感覚や浴後のべとつきが苦手という方もかなりいらっしゃいます。
佐久ホテルの温泉は塩気のない泉質ですので、赤ちゃんからお年寄りまでお湯を楽しむことができます。
※「メタケイ酸」の含有量が50mg以上なら天然温泉として認可されます。

美人の湯、美人伝説

佐久ホテルの旭湯温泉はメタケイ酸含有泉です。
メタケイ酸は「お肌に良いお湯」「美人の湯」として知られています。
さて当館の温泉水の泉温は約22℃と低いため、加熱をしています。
昭和60年まで、温泉を温めるために薪を燃やしておりました。
この薪を伐り出す山が町内の芝間の山林で、ここは中世以来当館の所有地となっています。

この山には美人伝説が伝わっています。
その昔、この辺りに舟姫という若い女性がいました。姫は獅子(しし)に似て、みにくい顔でした。
ある夏、姫は自分の顔を気にして芝間の山から飛び降りてしまいました。
しかし姫は「私はどうなってもよいが、今人々が苦しんでいる伝染病を治して下さい」と天に祈ったので、神様は姫を美しい 白鷺(しらさぎ)に変身させてくれました。
そして姫が飛び降りた場所には、みにくい獅子の姿をした獅子岩(ししいわ)が残り、その下には美しい顔をした女性が倒れていたそうです。しかも当地で流行していた伝染病はなくなりました。
今も姫の命日には慰霊の御舟祭(無形文化財)が盛大に行われ、その神事が当館でも斎行されています。
美肌の”メタケイ酸含有泉″につかって、美人伝説を想い浮かべてみてはいかがでしょうか。
白鷺のように美白になったらいいですね。

かつては高温だった温泉?

佐久ホテルの温泉温度は22度程度と低めです。しかし明治時代には湯気が上がっていたそうですので、かなり高温だった時期もあったみたいです。
実は当館の近くのTさん宅の家庭用井戸も急に水温が上昇し40度を超えましたが、最近はまた冷たい水に戻ってしまったそうです。
この付近の井戸には水温変化が稀にあるようです。
ちなみにTさんの井戸の泉質も当館と同じメタケイ酸です。
また井戸の深さや直径なども当館とほぼ一緒です。

温泉の色、水晶の湯

佐久ホテルの温泉は日によって温泉水の色が変化しますが、
紅茶色や烏龍茶色をしてる場合が多いですが黄金色になる時もあります。
泉質はメタケイ酸ですがこのケイ酸は水晶の成分でもあります。
また当館の湯に入った武田信玄は巨大な水晶の軸を謝礼として残されています。
「輝く透明な美肌の湯」にふさわしいエピソードかもしれません。

えんむすび温泉

我が国の最古の温泉記録は日本神話にあります。
出雲大社の神様が、親友の神様の病気を治すために温泉を使用したというものです。
さて、佐久ホテルの敷地内には出雲大社の神様を祀る「出雲大社佐久之宮講社」があります。
ここは長野県唯一の出雲大社の講社です。
県内で出雲大社の神様 を拝める場所は他にありません。
えんむすびの神として有名な出雲大社ゆかりの天然温泉に入って身も心もお清め頂き、幸せのご縁を結ばればと存じます。

水物語、井戸や用水の歴史

当館は室町時代の創業で、明治七年まで佐久二十四ケ村を治める割本職でもありました。
邸内には七本以上の井戸があり、そのうちの二本が温泉井戸でした。
また酒造用井戸もあり、明治時代まで「松瀬川」という清酒を醸造し、東京にも出荷していました。

ところで邸内には鯉や鰻などを養殖する池があり、その水は篠澤用水の水を使用していました。
篠澤用水は当館の先祖篠澤源佐衛門が軽井沢の篠澤水源から引いたもので、佐久地方最古の用水として知られています。
篠澤水源の水は今も農業用水や水道水としても利用されていますまた、市内小田井地区には用水を峰渡りさせた難工事地点があり「篠澤」の地名が今に残ります。

便利な立地、中山道岩村田宿の温泉

佐久ホテルの温泉(旭湯)は新幹線佐久平駅からタクシーでワンメーターです。上信越道佐久インターから車で2~3分です。
また当館は旧中山道にも面していますので江戸時代は、多くの旅人も入泉したそうです。
小林一茶や葛飾北斎をはじめ、大名や奉行や高僧などが宿泊し、この湯で道中の疲れを癒やしたことでしょう。
※新幹線佐久平駅、佐久インターから最短距離天然温泉

温泉分析書

源泉名:「旭湯」長野県佐久市岩村田今宿553 ㈱佐久ホテル
試験者:長野県薬剤師会
試験日:平成26年10月10日 泉温21.9度 湧出量13.1L/分
知覚試験:ほとんど無色澄明、鉄味、微硫化水素臭を有す
PH:6.8
ラドン:未測定
試験室内知覚試験:微黄色を呈し鉄味を有す
密度:1.0002(20°)0.9984 ※20°/4°
蒸発残留物:159mg/kg(110°)

(1)陽イオン成分:水素イオンー、リチウムイオンー、ナトリウムイオン10.9、カリウムイオン9.2、アンモニウムイオン0.8、マグネシウムイオン 3.8、カルシウムイオン20.0、ストロンチウムイオン0.07、バリウムイオンー、アルミニウムイオン0.01、マンガンイオン0.6、鉄Ⅱイオン4.1、鉄Ⅲイオンー、銅イオンー、亜鉛イオンー、陽イオン計49.5

(2)陰イオン成分:フッ化物イオン0.2、塩化物イオン7.2、臭化物イオン0.05、ヨウ化物イオンー、亜硝酸イオンー、硝酸イオン0.07、水酸化物イオンー、硫化水素イオン0.02、チオ硫酸イオンー、硫酸水素イオンー、硫酸イオン1.6、リン酸水素イオン4.6、メタ亜ヒ酸イオンー、炭酸イオンー、メタケイ酸イオンー、メタホウ酸イオンー、陰イオン計134.0

(3)非解離成分:メタケイ酸67.5、メタホウ酸0.7、メタ亜ヒ酸ー、リン酸ー、硫酸ー

(4)非解離成分計68.2、溶存物質251.7mg/kg、溶存

(5)溶存ガス、遊離二酸化炭素34.8、遊離硫化水素0.03、溶存ガス成分計34.8 ※単位mg

(6)その他の成分総水銀不検出0.0005mg/kg未満、カドミウム不検出0.05mg/kg未満、総ヒ素0.01mg/kg、鉛不検出0.01mg/kg未満、総クロム不検出0.02mg/kg未満

(7)泉質:以上の結果本検水は温泉法第2条に規定する温泉の資格を有す(メタケイ酸による)

一般社団法人長野県薬剤師会会長大塚宰分析機関登録番号長野県第2号(中NO26-48号)
腎不全・出血性疾患・高度貧血・呼吸不全・悪性腫瘍・活動性結核・心臓病・病勢進行中疾患・急性疾患・発熱時・其他疾病や怪我や伝染病など…以上浴用禁忌症

長野県最古の温泉「佐久ホテルの旭湯」

信州には古代からの伝承が残る温泉がたくさんあります。
しかし温泉と宿を数百年にわたって、代々守ってきた例は当館以外には存在しません。
当館は室町時代の正長元年の創業で、代々の篠澤家の長男が宿を継承してきました。
歴代の足利将軍ならびに、幕末までの徳川将軍からの礼状が今も残っており、現在館内に展示を致しております。

佐久ホテルの旭湯を守って下さった
明治時代の43名の方々

歴史の温泉である旭湯を守ろうと、明治37年に下記の43名の地元の方々から佐久ホテルに出資を頂き、当時としては非常に立派な浴場が完成しました。
清原七蔵、工藤時太郎、神津義助、大井助九郎、阿部龍蔵、出沢定助、阿部甚五郎、阿部四之助、森泉義太、塩川幸太、武内総太郎、篠澤幸太郎、星野廣次郎、藤沢光義、秋山清作、阿部儀衛、大熊部長、貝沼嘉太郎、實口安身弓、丹田千賀郎、萩原定蔵、市川亀吉、宮崎銀吾、臼田松太郎、野々山弥太郎、遠藤善九郎、戸塚己之助、臼井半助、菊池音之助、長久保得平、樋口とく、森川推八郎、池村良忠、森泉崇吉、木原郡役所小使、原田郡役所小使、湯本安運、望月善兵衛、森泉金吾、篠澤源次郎、篠澤濱太郎、小沢林作、小林吾志、佐久ホテル社長篠澤豊太郎。

長年にわたり、佐久ホテルと旭湯温泉を支えて下さった方々やお客様に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
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長野新幹線佐久平駅より車で3分 信州佐久・岩村田宿
創業正長元年

防火基準適合

天然温泉 佐久ホテル

・営業許可01108114号 ・防火基準適合第68号 ・酒販免許佐久法1第293号 ・シルバースター旅館登録
・ふぐ料理取扱1177号 ・コロプラ登録ホテル ・佐久市地産地消費の宿 ・無形文化財祇園祭御宿
・長野県認定三つの星レストラン
・インボイス番号T2-1000-0100-7230


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